2010年3月30日火曜日

Toolbox

ちょっと間が空いてしまいました。
突然ですが、私はToolboxの部品ライブラリが好きになれません。

私は2001版ころからSolidWorksを触っていますが、当時から好きでないです。
パット見、便利そうに見えますが、これを使いこなし、継続して維持管理しようとすると、普通にSolidWorksを使って身に付く知識と別の知識が必要になります。

忙しい設計者がCADの管理を兼務している場合が多い状況で、そんな負荷の大きくなるようなことは、お奨めする気になれません。

また、Toolboxで絵が楽にできたとしても、手配に必要な型式やメーカー名や部品コードは、部品表に出てきません。

Toolbox部品を使うとしたら、導入直後などに、プレゼンなど見栄えの良いアセンブリを作る必要に迫られた時くらいかな?、と思っています。

設計テーブルの機能が向上したお陰もあり、どうせプロパティなど部品表用の情報を入力するんだったら、自分で作った方がまし、とおもってます。

自分で作るとパフォーマンスを考慮した簡略形状にしやすい、というメリットもあります。

こんな感じで、自社の部品表などで使う部品ライブラリは、自作すべし!と思っている私ですが、最近、部品ライブラリの整備にジレンマを感じています。

立ち上げ支援に行く先々で、似たような部品ライブラリを各社で作ることになってしまうのです。
その度に「共用できればいいのに…」と思ってしまいます。

でも苦労して自社向けライブラリを作ったお客さんに対して、「それ、他社で使えるように公開しませんか?」なんてことは、よう言いません。

また、次のような状況もあります。
装置・設備機械を設計しているお客さんでは、非常に多くの購入品を使用し、製品の進化と共に、どんどん新しいものを選定することになります。
こんなお客さんが、必要な購入品データを毎回自作するとなると、機械の設計よりも、部品ライブラリ作りに多くの時間を費やすことになってしまいそうです。

とまぁ、最近こんな課題を感じながら、自作のライブラリサンプルを支援先に提供したり、PARTsolutionsなどのデータ集を調査したりしてます。
Toolboxについては、スマートファスナーなど便利な機能も多いので、長期に面倒見れるCAD管理者がいる会社にはおすすめです、
ということで、余裕があればご参考下さい。。

2010年3月23日火曜日

タクシーにて

先日、少し変わったタクシーに乗りました。
どこが変わっているかと言うと、「ドアの開閉が手動」という点です。

サービスの一貫で、助手席を通って運転手が開閉してくれるのではないです。
普通のタクシーだと運転席の横にある「乗客用ドア開閉レバー」が無いんです!

なので、通常の開け閉めは、運転手さんが身を乗り出して左後部のドアレバーを操作されてました。
個人タクシーだったのですが、運転手のおっちゃんは「大阪1サービスの悪いタクシー」と冗談混じりに言ってました。
(料金は他と同じ)

話を聞くと、車代が15万と格安で買えたそうなのですが、前の車のレバーが使えなかったそうです。
で、新造のレバーを作ると15万かかるということで、手動にしたそうです。
車は3年ごとに変えているそうです。

降りるときは、「閉めてくれると嬉しいんやけど…」と言ってました。
(閉めてもらえないとき用に、マジックハンドを用意してました。(^_^) )

こんなタクシーだったのですが、安全に早く目的地に到着しました。
さらに、シートの座り心地が結構良くて快適でした。
なので、総合評価は○です。

何事も主機能が大事ってことですね。
ではまた。

2010年3月20日土曜日

SWW2010情報を見て

先日、SolidWorks World 2010(SWW2010)のレポートがSWJ社のWebサイトに掲載されました。

開催期間の2/4頃に、速報が日経BPのWebサイトにアップされてたので、そちらを見られた方も多いと思います。

私が注目したのは、クラウド環境、V6アーキテクチャ版、PSM、あたりです。
記事の主要部分そのまんまですね。(^_^;)

V6については、CATIAとのデータ授受が容易になりそうなのですが、いろんな思いが駆け巡りました。
 1: やっとでてきたか
 2: それしか手はないのか…
 3: やっぱりカーネルはそっちのほうが良いのかな…
 4: どこでParasolidカーネルと切り替えるか難しいよな…
    (だから2011とV6と同時に見せてんだろうな…)

クラウドについては、時代を捉えたうまい開発をやってるな、と感じました。
PSMも一緒ですね。
ただ、いずれも、どれくらいのネットワーク環境を想定しているのか気になるところです。
 (最近、よく悩まされているので、つい…)

でもPSMで、SolidWorksファイルの管理が容易になるのであれば、設計者にとっては嬉しいことですよね。
設計者がCAD管理も兼任してるところでは、ニーズが高そうですね。
ところでこれって、Workgroup PDMを代替しようとしてるんでしょうか?
どうなんでしょうね。

今日はこの辺にしておきます。ではまた。

2010年3月19日金曜日

SWKK

しばらく仕事が忙しくて投稿するネタを考える余裕が作れませんでした。
今日は「ソフト保守」の続きで、SolidWorks活用研究会について書いてみます。

「ソフト保守」の中で、積極的にコミュニケーションを行うべき、ということを書きました。
これを実現するために始めたのが「SolidWorks活用研究会」(略称:SWKK)です。

以前は、「3次元CAD活用研究会」にお客さんを誘うことに力を入れてました。
でも、ツールを使いこなすことに一生懸命なお客さんをこちらに誘導するのは、至難の業でした。
  ※参加してくれた方は、とても喜んでましたが…

そこで、ツールを絞って情報交換を行える場を作ることを考え始めました。
NPOとか、色々考えたのですが、会社の中のイベントとして開催するのが一番実現させやすかったので、その路線で検討を進めました。

継続して場を提供することが重要だと思い、4〜5回分の発表ネタとプログラム案を作りました。
発表ネタは、コツコツ蓄えたものがあったので、それほど大変ではなかったです。

それよりも大変だったのは、周りの人の賛同を得ることでした!

まぁ、初期の案だと賛同を得られなくても仕方がないよな、今は感じています。
規模を大きくしすぎてリスクが大きかったり、要員の検討が甘かったり、自社のメリットを示してなかったりと、穴だらけでした。
(^_^;)

でも、賛同してくれる人が少しづつ増えていき、改善点の助言ももらい、実現に向けて準備を進めました。
こんなかんじで検討から開催までは一年くらいかかりましたが、初回開催にこぎ着けました。

検討時の教訓から、失敗してもリスクが小さくなるように、初回は本当にこじんまりとした開催のつもりでした。
うちのスタッフ3〜4人+SWJ営業技術3人くらい、といった体制だったと思います。

ところが結局、参加者は60名くらいに達し、こうした取り組みに自信を深めることができました。

こんな感じで始めたのが、SolidWorks活用研究会です。今後も宜しくお願いします。

2010年3月12日金曜日

またまたBOMについて

またまた、BOMについて考える機会がありました。(あ~、やだやだ)
  ※ BOM編集ツール絡み

私の場合、設計部署内では潜在的に下記のようないくつかのBOM(構成情報)があると考えています。
  CAD-BOMと、製品構成-BOM、手配-BOM

私が以前、設計をしていた際は、下記のような感じでした。
 ・2D-CAD利用時:
   > CAD-BOM なし
   > 製品構成-BOM ≒ 計画図 (基本は頭の中なので正確さは…)
   > 手配-BOM  = 部品表(製作部品・購入部品)

 ・SolidWorks利用時:
   > CAD-BOM = SolidWorksアセンブリ
   > 製品構成-BOM = SolidWorksアセンブリ
   > 手配-BOM ≒ SolidWorksアセンブリから図面上に作成した部品表

出図時は、製作図面+部品表(手配-BOM)を生産管理へ提出してました。

数百点以下の機械製品であれば、SolidWorksアセンブリ(CAD-BOM)が、そのままあちこちで使える場合も多いと思います。

でも、数千点、樹脂・鋳物、などなど製品タイプによっては、設計上の扱いやすさを考慮して、CAD-BOM≠製品構成-BOMとしたほうが良い場合も出てくると思っています。

なので、BOM編集ツールを検討する場合、必要な部署がどこか?は、会社によって違うのでは?と感じています。
  ・例: 手配BOMは生産管理でやるので、設計では製品構成-BOMを出せば良いという会社あり
     (うらやましい…)

また、Excelの使用頻度が高そうなジャンルであることも考えると、ExcelをI/Fとした環境構築も選択肢として考える必要があるのかも知れません。
 (下記の記事に洗脳されたようです…。 ^_^; )
  ⇒ キーマンズネット(Excelデータを社内でうまく共有したい)

2010年3月9日火曜日

パフォーマンス問題

先週から今日にかけて、パフォーマンスに関する相談を数件受けました。
最近は、大規模アセンブリの図面のパフォーマンスに関しての相談が多く、今回も同様でした。

パフォーマンスに関する相談や要望は以前からあるのですが、少しづつ変化してきてます。

私はパフォーマンス問題というと、下記のように分類してます。
  1:形状が複雑なモデル (例:樹脂や鋳物の大物部品)
  2:上記部品の図面 (数十の投影図ビュー、断面図を作成)
  3:大規模アセンブリ (数千、数万ソリッドボディ)
  4:上記の図面 (ビューは少ないがいくつかの断面図ビューを作成)

5年以上前は、1が結構多かったように思います。
最近は、3、4が多いです。

昔は、構成部品点数の多い設備や装置で三次元CADを使おうとしてなかったのですが、最近は増えてます。
そのせいで、相談状況が変わっているのだと思います。

もちろん、ソフトやPCの改善で問題が解消されていることもあります。(1と3)

利用されている方は不満かも知れませんが、2009版では、3D上も図面も様々なテクニックを駆使して、かなりパフォーマンスが改善されたと感じています。

これまで、ライトウェイト、ラピッドドラフト、ドラフト精度ビュー、SpeedPak、などパフォーマンス改善のための機能改善が行われてきました。
2007版くらいまでは、何かやろうとすると結局ライトウェイトを解除せざるを得なかったりして、「使えないなぁ」という印象がありました。
(ラピッドドラフトも絵の信用度の問題がありました)

しかし、2008からライトウェイトで合致挿入など多くの編集が可能となり、「使える!」と思うようになりました。
 ※SpeedPakは、まだ今一つかな、という印象ですが…(^_^;)

こんな風に感じているのですが、ラージデータ(1〜4)を実用レベルで扱おうとすると、64bit-PCでないとしんどいなぁ、と思うことも多いです。

私のようなサポートからすると、できるだけ追加投資の要らない、OS設定や、ソフトウェア設定で、改善しようと頑張るのですが、限界があり、困り果てることも多いです。

そんな時の最終手段は、64bit-PC以外に下記のようなものを考えます。

 ・モデルの作り方の変更
   →1:部品挿入や、ライブラリフィーチャーを使う
   →3:階層を深くしてライトウェイトを効きやすくする
   →3:形状表現を簡素化する
 ・DMUツールやViewerを利用する
   →3:レイアウト手法でサブアセンブリの配置情報を管理し、TopAssyは別ツールで再現させる
    (XVLやCATIA-APRやVridge-Rなど)
 ・SolidWorks上での図面更新をあきらめる
   →2・4:できれば避けたいですが、出図期限は待ってくれないので、やらざるを得ないこともありました。
    (3Dで検証作業を行い、それを基に2D-CADで図面を更新)
   →2・4:図面の表現方法を変更したり、3Dデータで代用する運用に変更する
     (簡易図面や、3D図面など)

いずれも普通は受け入れがたい案だと思います。
でも、SolidWorksの使われる状況として先進的(普通でない)状況だと理解して頂いた場合、採用されます。

こんな感じで、日々悩んで知恵を絞っております。
でも、使いやすさ向上のために、処理の負荷が増えていることもあり、悩ましく感じることも多いです。
Windows7は、Vistaみたいに華美じゃないようなので、少し期待してますが、さて、どうなんでしょうね? (^^ゞ

2010年3月3日水曜日

ソフト保守

多くの業務用市販ソフトウェアには保守契約という仕組みがあります。
私も製造メーカーから、この業界に入りこの存在を知ったときは、「なんだそりゃ?」と思いました。

しかし、ソフト開発のおかれている下記のような状況を考えると、受け入れざるを得ないのかな、と今は感じています。
 ・ソフトが大規模かつ複雑になっている
 ・利用PC環境、ネットワーク環境がバラバラ
 ・様々な用途で利用されている

特定のお客様向けに開発されるソフトウェア(システム)と比較すると、理解しやすいかも知れません。

※企業向けソフトの場合、設備機器と似たような扱いになるような気がしてます。

SolidWorksにもSubscription Service契約というのがあります。
これによって、下記のようなサービスが可能となります。
 ・Service Packや、次Versionのプログラムの入手
 ・Customer Portalや、メーカーのWebからの資料やサンプルデータの入手
 ・不具合情報のメーカーの開発部門への連絡
  (サポートベンダーと各国のSolidWorks社を経由し、開発部へ伝達される)

主なもののみ挙げました。細かくはSWJのWebで確認してください。

こんな風に書くと、メーカーの代弁をしている様に受け取られるかもしれませんね。
そうじゃないんです…。

開発資金を提供している株主みたいな状況だからこそ、ユーザーとサポートと開発とで、積極的にコミュニケーションを行い、適切に発展させていく努力をすべきだと思っています。

今日はこの辺で。(2日かけて書いてしまいました)

2010年3月1日月曜日

3次元CADの普及具合

先日、お客さんと話をしてて、三次元CADの普及具合の話なりました。
使ってるところは、10年以上前から使ってるけど、使ってないところは「何かすごいもの」みたいな認識、といった具合に結構な認識度の差があるように感じます。

ただ、10年前よりは確実に身近になり、情報も得やすくなっていると思います。
でも、その情報の品質には注意が必要で、人によって深さや広さが異なります。
また、IT系は機械系に比べて、情報の新陳代謝が早いため、情報の鮮度にも注意が必要です。

そんなこんなで、まだまだですね〜、という意見も出ました。
しかし、2次元CADってみんなが設計で使ってるわけではないことに気付く必要があります。
Windowsが無かった時代に、文字と絵を含む文書を作成しようとしたとき、設計者の身近なソフトは2次元CADでした。
あと表なども…。
パソコンは分からないけど、(2次元)CADは使ってるって人が多かったのでは?

なので、2次元CAD→3次元CADかWordかExcelかViewerか…、という移行先を考えると、結構普及してるんじゃないかな?とも思います。

ただ上手く使えてるかは別です。
設計者の目線で利用環境とルールを整備してないところは、残念ながら、あんまりです。

(データ管理重視のところはちょっと危険な匂いがします)
ではまた。