2012年3月25日日曜日

メカニカルカム(図面編)

こんにちは、SolidWorksエンジニアです。
2月はハイペース!、と思ったら、月末から忙しくなり、投稿する余裕が無くなってました。
"メカニカルカム(図面編)"を書けない気持ち悪い状態でしたが、やっと解消しそうです。
しかし、少し間が開いたせいか、頭の中から「メカニカルカム」のことがすっかり飛んでしまっているようです。(^_^;)
過去作成した資料を見て、思い出しながら書くので、話があちこちに飛ぶかもしれませんが、ご容赦願います。

(3)図面について
メカニカルカムの図面は、会社や形状により、動作線図・カム曲線やカム溝を「リアルに描く場合」と、「そうでない場合」があるようです。

「リアルに描く場合」、直進カム・円形カムは、そのまま描けば良いのですが、円筒溝カムだと、平面に展開して描く必要があり、3次元CADで表現しようとすると、次のようなちょっとした工夫が必要になってきます。
  • 板金機能を利用して、円筒溝カム作成後に、溝の表面を利用し板金ボディを作成し、平面に展開する。そして、図面で、その展開した板金ボディを表示する図面ビューを作る。
    • 展開した板金ボディは、アセンブリ時には不要なボディなので、別コンフィグで作成するようにする。 (サーフェスボディとする場合は、別コンフィグとする必要はない)
    • 板金機能を利用して展開する場合、1ソリッドボディとなっている必要があるので、場合によってはワイヤージョイントのようにダミーで各ボディを1つにつなぐことが必要となる。
  • ラップフィーチャーを使用している場合、使用した2Dスケッチを図面表示し、指示情報として利用する。
    • 溝以外の情報や、複数の溝の指示を重ねて表示する必要がある場合、ビューを重ねたり、図面ビュー上でエンティティ変換して作図するなど、手間をかける必要が出てくる。 (モデルで形状変更があった場合、追従できず、都度、再編集が必要となる可能性が高くなる。)
  • 3Dモデル上で、展開図用のスケッチ(またはサーフェスボディ)を作成し、図面で表示する。
  • 円筒溝カムの展開図の場合、X軸=角度(0~360度)、Y軸=軸方向の変位(mm)、として表現する必要があり、円筒の周長に合わせてX軸の寸法指示を行う必要があり、注意が必要となる。

メカニカルカム作図例
円筒溝カムのSolidWorks図面の例

「そうでない場合」(リアルに描かない場合)は、あまり深く考えたことはないのですが、今思いつくところでは、以下のいずれかの方法になりそうです。
  • 2次元CADと同様に、図面上で作図する。(空の図面ビューを使用)
    • 3Dモデルのカム溝と図面上の動作線図を関連させるには、図面上で拘束条件を付けるなど工夫する必要がある。 (関係式とか使えないから無理かも…?)
  • 3Dモデル上に、リアルでない動作線図をスケッチで作図しておき、カム溝作成時にそれを利用して形状作成し、図面ではそのスケッチを表示して動作線図に仕上げる。
    • 3Dモデル上であれば、関係式が利用できるため、恐らく可能と思われる。
メカニカルカムのカム曲線の作図ですが、2D-CADの際も、Excelを併用してカム曲線を作図してるという話も良く聞きます。
また、加工する際は、カム曲線があれば、3Dモデルは不要な場合も多いので、3Dモデルと図面を完全に連動させるか?、3Dモデルをどこまで手間をかけて詳細に作るか?は、設計上の効果を考慮して判断する必要がありそうです。

以上、3回に分けて「メカニカルカム」について書きました。
具体的に詳細な運用方法を決めるには、試行する必要があると思いますが、まったくゼロからの手探りではなく、多少の目途を付ける参考となり、無駄な時間を費やすことが減ることを期待しています。