2012年2月22日水曜日

メカニカルカム(モデリング編)

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
満を持して、というか、やっとこさ「メカニカルカム」について書きます。
但し、結構ボリュームがあるので、以下の3つに分けて書きます。
  1. モデリングについて
  2. 検証について
  3. 図面について
本題に入る前に、「メカニカルカム」について、色々と取り組んだ際に私が参考にしたWebサイトをご紹介します。
  株式会社ミスミ エンジニアのための技術講座 ローコストオートメーション講座 第3回

ここで「メカニカルカム・リンク機構」の概要や歴史を知ることが出来ました。
お蔭で、様々な装置で、カムを使ってたり、リンク機構を使ってたり、PLC制御を使ってたりしてますが、なぜそうなのか?について、多少考えることができるようになりました。

さて、本題。

(1)モデリングについて
 メカニカルカム部品は、直進カム、円形カム、円筒カム、の3タイプがあります。

 このうち、直進カム、円形カム、については、Toolboxアドインの「カム作成」機能で、部品モデル作成が可能です。
 どう使うのかは、ヘルプを見たり、「お気に入り」のサンプル設定を使ってみるなどすると、なんとなくわかってくるのではないか?と思います。
 このToolboxアドインの「カム作成」機能ですが、2008年頃には、「STEP by STEP ~Productivity Tool編~」という自習用テキストがソリッドワークスジャパン社から発売されていたので、それで勉強することができました。でも、いまは無いので、ヘルプやWebのナレッジベースなどを参考にしてみてください。

 とまぁ、直進カム、円形カムについては、こうしてモデル作成する機能があるのですが、円筒カムは対応していません。
 (某CADでは、中々優秀なツールがあり、円筒カムも作成できるそうです。)

 よって、SolidWorksで円筒カムを作ろうとすると、自分でモデリングする必要があります。
 やり方は、大きく4つの方法が考えられます。
  1. ラップフィーチャーを利用する方法
  2. 板金フィーチャーを利用する方法
  3. サーフェスを利用する方法
  4. Motionアドインを利用する方法(軌跡を利用)
ラップフィーチャーが無い頃は大変だったと思います。今は、多くの場合、ラップフィーチャーを使えばできると思います。
 (重なる溝を作成する場合は、複数に分けてラップフィーチャーを実行すればOK)
理想のカム溝を作ろうとすると、(4)Motionアドインを利用する方法がお奨めです。これは軌跡を作成して、それを利用してモデリングする方法です。

こんな感じで、モデリングができたぁ!と言って喜んではいけません。
アセンブリで困ることになると思います。
「カム作成」機能で作成したカム部品の合致で、「カム合致」などで合致しようとすると、"面が正接連続じゃないからダメ" って出る場合もあります。
また、「カム合致」ができたとしても、動きが重くなる可能性が高いです。

これの対策としてお奨めするのは、サーフェスと点を使った合致です。
文章で書くと以下のような方法になります。
  1. サーフェス作成のため、スケッチを作成する。
  2. スケッチでは、カム曲線のエッジをエンティティオフセットし、カムフォロワーの中心が通る位置に曲線を描きます。
  3. それらの線を使って、フィットスプラインにより、1本のスプライン曲線を作成します。
  4. このスプライン曲線を押し出すなどしてサーフェスを作成します。 (1枚サーフェスになる)
  5. カムフォロワー部品のフォロワー中心に点を作ります。(スケッチでもOK)
  6. アセンブリで、カムフォロワー部品の点と、カム部品のサーフェスとを「一致」合致とします。
これにより、あたかもカムフォロワーがカム部品に接触しながら動作する動きが軽快に表現できると思います。
(たくさんあると、さすがに重いと思いますが…)

こんな具合にモデリングだけでも結構色々とSolidWorksの機能を駆使する必要があるのがカム部品です。 「検証」や「図面」も、となるとさらに色々とテクニックを駆使する必要が出てきます。

このように複雑な利用法が必要になると、普通の設計者には使いこなせなくなってしまいます。
よって、会社によっては、カスタマイズプログラムを作成し、容易にカム部品を作成できるようにしているところもあるようです。

今日はこの辺で。ではまた。

1 件のコメント:

  1. カム合致のため、ネットを探し回ったつもりですが、解決策が書かれていたのはこちらのブログだけでした。
    ”フィットスプライン”によるスプライン化後、
    ”押し出しカット”で作成した面にカム合致が可能になり課題解決できました
    (これはこれで、曲率半径等で課題はあるのですが)
    貴重な情報ありがとうございます。

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