2012年12月27日木曜日

反省

今年も残りわずかになってしまいました。

ここ数ヶ月、いつになく忙しく、投稿せずじまいになってしまいました。
多分、Facebookを始めた影響もあると思います。
SNSは、下手をすると、金食い虫ならぬ、「時間食い虫」となる可能性が高い、厄介なもののようです。

皆さんもお気をつけください。

2012年10月19日金曜日

SW2013

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
今まで最低でも毎月一度は投稿してたのに、九月は忙しくて投稿することができませんでした。
その忙しい要因としては、お客さんの支援と、SolidWorks活用研究会あたりでした。
その状況で、さらにSolidWorks2013の勉強会などへの参加が求められたりしており、「勘弁してくれ〜」という感じです。
でも、その2013ですが、いくつか「おーっ!!\(^o^)/」という機能追加もあり、期待値が徐々に上がってきてます。
すでにメーカーイベントで情報を入手したり、βテストで試されたりした方もいることと思いますが、まだ情報公開が解禁されてませんので、詳しいことは控えておきます。

次回のSolidWorks活用研究会では、設計者向けの新機能を取り上げたいなぁ、などと勝手なことを考える今日この頃です。

では、また。

2012年8月23日木曜日

粒子法による流体解析 

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
八月は盆休みのせいで、あっという間に過ぎて行ってます。
その8月上旬に、CAEのイベントがあり、普段、あまり目にしないハイエンド系のソフトの話を聞くことができました。
その中でも私が注目してたのは、粒子法の流体解析ソフトのセミナーです。
私が、粒子法を用いた流体解析ソフトの存在を知ったのは、2年前でした。
社内のCAE担当SEから話を聞き、解析事例の動画を沢山見ることができ、「へぇ~、すげえ!」と思いました。
今まで、メッシュ系の流体解析ソフトではあまり見ない現象の事例が多く、新鮮な印象を受けました。
しかし、当時はまだ、研究開発段階といった印象があり、"共同開発" というスタンスでの提案しかできそうになかったため、PR先を選ぶ必要がありました。

先日、2年経過しての状況を確認し、着実に進歩し、事例や導入実績も増え、様々なお客様に提案可能な状況になってきたようです。
 (といっても国産高級乗用車くらいの値段なので、手軽なものでは無いです。)

3Dデータは、STL形式で渡せるので、SolidWorksでも問題無しです。

何年か後に、FlowSimulationXpress の機能として、粒子法の流体解析機能が搭載されるといいのになぁ…、と思う今日この頃です。

※参考: ParticleWorks

2012年7月28日土曜日

KEAC

こんにちは。SolidWorksエンジニアです。

先日、関西設計管理研究会(KEAC)に半年振り(もっとかも?)くらいに参加してきました。
発表内容も会場もすごく良かったため、参加者が90名近くなり、盛況でした。
幹事さんや会場を提供していただいた企業様は、大変だったと思いますが…。
お疲れ様でした。ありがとうございました。(^_^)

先日は、CAEがテーマになってたのですが、私の場合、部品の線形静解析は普通にやりますが、アセンブリや非線形はあまり積極的にやってません。

やってない理由は、"多くの機械モノの設計者には、まだ少し敷居が高いかな?" と思ってるからです。

先日のKEACである方と話をしてて、同じような考えを持っておられた方が居たので、大間違いでは無いのかな?と思って、安心しております。f^_^;)

干渉チェックと同レベルの"操作性"と、"やってることの理解度"、が利用者に無いと、なかなか使えないかな?と思ってます。

一応、解析の資格試験で動解析までやったので、それぞれのソフトのポテンシャルというか守備範囲は大体把握してますので、ご安心下さい。
(こんなこと書いても信用されないだろなぁ〜 (^^;; )

ではまた。

2012年7月25日水曜日

うっかり…

お休みもらったり、新しい案件の対応やら、次回のSolidWorks活用研究会(SWKK)の準備やらで、ブログの投稿をすっかり忘れておりました。f^_^;)

しかし、コトは色々と進展しております!
(設計手法のお披露目準備、新しいお客様への支援、次回9/14のSWKKの準備、…。)

そしてSolidWorksも2013版のリリースに向けて、Betaコンテストも始まりました。
(色々と特典があるので、ちょっと興味のある方は是非トライしてみてください!)
また、2013のリリースを待たずに、新しいプロダクトがSolidWorks社から出るようです。

う~ん、色々と書きたいことが出てきましたね。
今日は遅いので、また今度投稿します。(今度はできるだけ早く…)
では、お楽しみに。

2012年6月20日水曜日

機構設計に適した設計手法の支援ツール

こんにちは。SolidWorksエンジニアです。
以前、投稿した「機構設計に適した設計手法」について続報です。
この手法ですが、いくつか "課題がある" と書きましたが、その対策の一つが大きく前に進んだので、ご報告します。

その課題というのは、「多くの仮想化ファイルを外部保存する時に手間がかかる」ということです。

考案した手法を使って装置や設備の設計を行うと、2009から利用可能となった「仮想化ファイル」を多用します。作成時は手軽で使い勝手が良いのですが、大量の仮想化ファイルがある場合に、正式データとして全てを外部ファイルに保存しようとすると、結構な手間がかかります。

その手間を減らす方法としては、プログラムを作るしか無いと考え、色々な方に相談してました。
(私自身は、プロパティ編集関連であれば、Excelマクロで作成したことはあるのですが、それ以外の分野には手を広げる余裕が無く、今回も誰にどういう形で話をするのが良いのか?色々と模索していました。)

この相談の過程で、高機能版の開発検討を行っているのですが、基本処理のマクロを作成して頂くことができました。 使用するには、色々と制約条件はありますが、無いよりは大分マシです。
今後、別途作成中の説明資料合わせて、お披露目したいと考えています。

ユーザーさんによっては、高機能版マクロをご希望される場合も出てくると思うので、ツールの開発か、高機能ツールの汎用化なども検討しないとダメかもしれませんね。
また、外部ツールの場合、VersionUP対応が課題となることも出てくるので、SolidWorks自体の機能改善要求も行っていこうと考えています。

(6月上旬に SolidWorks2012sp4 がリリースされてました。 今VersionのSP更新ペースは結構早いので、機能改善要求も早く出さないと、2013では採用されないかもしれないです…。急がなきゃ…。)

2012年6月7日木曜日

検証報告

こんにちは、SolidWorksエンジニアです。
今、頭痛と腹痛に襲われています。
嬉しいことの後には、バランスを取るかのように嫌なことがあるのでしょうか…。

その嬉しいことをご報告します。
先日、SWKKを開催した船橋のY氏より、ローランドDG社の打刻器の検証結果として、上の写真の左下のプレートが送られてきました。(^_^)
  ※ちなみに右は、その昔にDimension 3Dの検証作業で試作した人形です。

いやぁ、うれしいですねぇ。 (検証報告がですよ…。)

3次元CADを扱っていると、手に取れる「実体のあるもの」がすごく貴重に思えます。
さて、これを作成するのにどれくらいの時間とコストが必要なのか?ですが、以下の通り。
  • 作成時間
    • 打刻: 約1分程度/枚
      • ワークサイズによって多少可変。写真の方眼は1マス5mm。
    • データ作成: 慣れれば5分程度 (凝らなければ…。(笑)) (Y氏)
  • ランニングコスト
    • 銘板の板の場合、約4000枚作ると打刻ヘッド(約4万円/個)の交換が必要とのこと。
    • ヘッドをカバーする樹脂のキャップ(4~5個入って1500円くらい)が打刻中に少しずつ対象物とぶつかるので、ワークによっては削れてしまうため交換が必要となる。
      • 今回は、平坦でツルツルなので、ほとんどキャップは削れませんでした。
こういうことって、時間と「やるぞ!」って気合が無いとなかなかできないんですよね。
また、これをやっとかないと、お客様に提案する時に不安になるんですよね。
そういった意味で、売り手のメーカーの資料では無く、お客様に近い立場の同僚エンジニアがトライした結果というのは、すごくありがたいものです。
私も以前、NextEngine(小型の3Dスキャナ)を借りて、色々試しました。
スキャンするだけで楽しかった…。(^_^)

楽しいことを考えていたら、頭痛と腹痛が収まってきました!
ではまた。
  ※この投稿に関して、何か問題があれば、ご指摘ください!宜しくお願い致します。

2012年5月16日水曜日

機構設計に適したアセンブリ手法

こんばんは。SolidWorksエンジニアです。
先日、機構設計に適したアセンブリ手法を検討し、仮想化アセンブリとレイアウトスケッチ手法を組み合わせた運用方法を資料化しました。
既に当たり前に使っているユーザーさんもおられると思いますが、仮想化アセンブリ・部品は、構想段階のアセンブリ設計では便利な機能だと思います。
従来は、部品・アセンブリを追加するとなれば、必ずファイル名を付けて保存しなければならず、思考が中断されるは、軽い気持ちで部品を作るとゴミが増えるは、で、気楽に部品・アセンブリを追加するのがはばかられる感じでした。

また、アセンブリ手法としては、レイアウト手法がよく聞く手法ですが、この手法は静的なものの配置を整理するのには向いていますが、複雑な機構の設計では、しっくりくる方法ではないように感じていました。

で、以前、新機能のアセンブリの「レイアウト」機能と、仮想構成部品の機能を絡めて、機構検討のある設計での適用例を検討しました。
しかし、「レイアウト」機能を使ったアセンブリは、別のアセンブリに組み込んだ時に「フレキシブル」にできない、という不便さがあり、小規模な製品の機構表現でしか使えない機能と感じ、もっと良いやり方が無いかな?と思ってました。

で、今回、数か月にわたって複雑な機構を持つ装置の3D設計方法について検討する機会があり、ユーザーである設計者の方と「ああでもない」「こうでもない」、と色々と検討を行いました。
そうした過程があったお蔭で、押さえるポイントが明確になり、”仮想化アセンブリ”にレイアウトスケッチを適用し、それを骨組みとして複数の”仮想化アセンブリ”で機構を組みながら設計を進めることを思いつきました。

今まで「レイアウト手法」に染まりすぎてたせいで、なかなか思いつかなかったのかもしれません。

ユーザーさんにもお試し頂き、なかなか良い、という評価でしたので、実用度は高そうです。
但し、課題もあるので、今後はそれらの解決策を検討していきたいと思っています。
また、この手法をもっとわかりやすくモデル例なども作っていき、体験セミナーか講習かにしたいなぁ、と思っています。

資料作りは大変ですが、得意な人に協力してもらい、早く形にしたいところです。

そういえば、この手法の「課題」と同じ状況について、あるユーザーさんから数年前に相談を受けたような気がします。  たぶん、今回私が思いついた手法を、既にそのユーザーさんでは利用されていたのだと思います。
頑張って追いつかないとね。 (^_^) では、また。

2012年4月28日土曜日

大変だぁ~。VerUPでcalloutformat.txtが…。

こんばんは。もうじき朝です…。
先日、ユーザーさんから「おネジを作った時、ねじ山寸法テキストが出ないんだけど…」っていう質問を受けました。
で、色々調べたら、calloutformat.txtの仕様が最近結構追加されていることがわかりました。
「やばっ。(汗)」

なぜか?
デフォルトのcalloutformat.txtは、ISO記号表記となってます。
日本の多くのユーザーさんは、「なんだコレ? 使えねぇよ…」となるので、私が支援したユーザーさん先では、私が日本語表記に編集したcalloutformat.txtを提供していました。

そのファイル、5~6年前に編集したっきりで更新してなかったんです…。
編集当時は、前後のVersionのファイルをチェックしたところ、まったく仕様が変わっていませんでした。
その数年後、JISの穴の数の区切り記号を「x」か「-」かに変えれるようになったくらいで、大した変更はありませんでした。
なので、すっかりノーマーク状態になってしまってました。

でもって、こんな時間まで調査&修正作業をやってます。

ちなみに影響があるのは、個別に「ねじ山フィーチャー」を追加して、規格を「なし」以外にした場合です。
2010から、規格を選択するとそれに応じて、「ねじ山寸法テキスト」にcalloutformat.txtに記述した書式に従った表記が入るようになってます。
この書式を駆使してお好みの表記ができるかどうかは、今後試してみてどうか?という感じです。


ところで、雄ネジ作成ですが、皆さんどのようにしてますか?
雌ねじは「穴ウィザード」で "穴開け" と "ネジ山フィーチャー追加" を同時にできますが、雄ネジは一つづつ作らないとダメですよね。
これ手間だなぁ~、と思って、以前、「おねじウィザード」の案をメーカーへ提出しました。
でも要望が多くないのか、仕様がいまいちなのか、まだ実現されてません。
「いいな」と思っていただけたなら、担当のサポートへ「機能改善要求」としてリクエストしてください。
件数が増えれば、機能追加され易くなります。

といった感じで、お茶を濁したところで、終わりにします。

(過去支援したユーザーさんへ。 修正版calloutformat.txtできたら送りますね…。ではまた。)

2012年4月26日木曜日

更新試験

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
あるSEに「メカニカルカムで燃え尽きてしまった?」と指摘され、慌てて書いてます。(^_^;)

危うく4月の投稿がゼロになるところでした。
ネタは色々あるので、隙間時間を使って書くぞー!

ということで今回は「更新試験」について。

我々、SolidWorksエンジニアは、通常、SolidWorks社の技術認定資格を取得しています。
これがあることで、SolidWorks社に対して、技術的な問合せや、お客様からの機能改善要求を行うことができます。
いろんな資格があり、それぞれ試験(選択問題、実技問題、など)があります。
ユーザーさんが取得できるものもあるので、ご存知の方もいると思います。
   例: CSWP  (SolidWorks Japan社 トレーニング&サポート > 「認定」

この資格ですが、他の資格もそうですが、1度合格すればずっと有効なものと、定期的に更新が必要なものとがあります。
私の場合、2つ更新が必要な資格があり、3月~4月の業務の山の合間を縫って受験しました。
(CSWST と CSPST)

過去、ひどいときには4回再試験しないと合格できなかったこともあり、かなりへこんだこともありました。
こんな経験から、今年も3回は受験するつもりでスケジュールを組んでいました。

ところが、今年はなんと2つとも1発合格してしまいました!
いやぁ、うれしいような、悲しいような…。

PC上で解答を入力し、「試験終了」のボタンを押す緊張感が来年まで味わえないなんて…。
ボタンを押した後、「がっくり」と肩を落とした人影が表示され、心底こっちもがっくり来てしまう脱力感を味わえないなんて…。

未経験の方は是非体験してみてください!
現在の試験はInternet接続環境があれば、受験できるはずです。
通常は有料ですが、キャンペーンやイベントなどで無料で受験できる機会もあります!

今思いついたのですが、SolidWorks活用研究会で試験ネタを取り上げるのも良いかもしれませんね。
船橋では昨年「3次元CAD利用技術者試験」について取り上げましたし…。
ユーザー向けのSolidWorksの資格試験も種類が増えましたからね。
ということで、今後検討してみます。
では、また今度!

2012年3月25日日曜日

メカニカルカム(図面編)

こんにちは、SolidWorksエンジニアです。
2月はハイペース!、と思ったら、月末から忙しくなり、投稿する余裕が無くなってました。
"メカニカルカム(図面編)"を書けない気持ち悪い状態でしたが、やっと解消しそうです。
しかし、少し間が開いたせいか、頭の中から「メカニカルカム」のことがすっかり飛んでしまっているようです。(^_^;)
過去作成した資料を見て、思い出しながら書くので、話があちこちに飛ぶかもしれませんが、ご容赦願います。

(3)図面について
メカニカルカムの図面は、会社や形状により、動作線図・カム曲線やカム溝を「リアルに描く場合」と、「そうでない場合」があるようです。

「リアルに描く場合」、直進カム・円形カムは、そのまま描けば良いのですが、円筒溝カムだと、平面に展開して描く必要があり、3次元CADで表現しようとすると、次のようなちょっとした工夫が必要になってきます。
  • 板金機能を利用して、円筒溝カム作成後に、溝の表面を利用し板金ボディを作成し、平面に展開する。そして、図面で、その展開した板金ボディを表示する図面ビューを作る。
    • 展開した板金ボディは、アセンブリ時には不要なボディなので、別コンフィグで作成するようにする。 (サーフェスボディとする場合は、別コンフィグとする必要はない)
    • 板金機能を利用して展開する場合、1ソリッドボディとなっている必要があるので、場合によってはワイヤージョイントのようにダミーで各ボディを1つにつなぐことが必要となる。
  • ラップフィーチャーを使用している場合、使用した2Dスケッチを図面表示し、指示情報として利用する。
    • 溝以外の情報や、複数の溝の指示を重ねて表示する必要がある場合、ビューを重ねたり、図面ビュー上でエンティティ変換して作図するなど、手間をかける必要が出てくる。 (モデルで形状変更があった場合、追従できず、都度、再編集が必要となる可能性が高くなる。)
  • 3Dモデル上で、展開図用のスケッチ(またはサーフェスボディ)を作成し、図面で表示する。
  • 円筒溝カムの展開図の場合、X軸=角度(0~360度)、Y軸=軸方向の変位(mm)、として表現する必要があり、円筒の周長に合わせてX軸の寸法指示を行う必要があり、注意が必要となる。

メカニカルカム作図例
円筒溝カムのSolidWorks図面の例

「そうでない場合」(リアルに描かない場合)は、あまり深く考えたことはないのですが、今思いつくところでは、以下のいずれかの方法になりそうです。
  • 2次元CADと同様に、図面上で作図する。(空の図面ビューを使用)
    • 3Dモデルのカム溝と図面上の動作線図を関連させるには、図面上で拘束条件を付けるなど工夫する必要がある。 (関係式とか使えないから無理かも…?)
  • 3Dモデル上に、リアルでない動作線図をスケッチで作図しておき、カム溝作成時にそれを利用して形状作成し、図面ではそのスケッチを表示して動作線図に仕上げる。
    • 3Dモデル上であれば、関係式が利用できるため、恐らく可能と思われる。
メカニカルカムのカム曲線の作図ですが、2D-CADの際も、Excelを併用してカム曲線を作図してるという話も良く聞きます。
また、加工する際は、カム曲線があれば、3Dモデルは不要な場合も多いので、3Dモデルと図面を完全に連動させるか?、3Dモデルをどこまで手間をかけて詳細に作るか?は、設計上の効果を考慮して判断する必要がありそうです。

以上、3回に分けて「メカニカルカム」について書きました。
具体的に詳細な運用方法を決めるには、試行する必要があると思いますが、まったくゼロからの手探りではなく、多少の目途を付ける参考となり、無駄な時間を費やすことが減ることを期待しています。

2012年2月25日土曜日

メカニカルカム(検証編)

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
今月は投稿がハイペースです。(^_^;)
さて、メカニカルカムの2回目、「検証」について、書きます。


(2)検証について
 前回の「モデリング編」に続いて、「検証編」ですが、メカニカルカムの検証というと、やはり "動き" ですね。 関連するフォロワーの "動き" を見たい!というニーズが高いです。

静的(とまった状態)に検証して見たい場合、各場面をコンフィギュレーションで表現します。
各部品の配置は、通常どおり合致を駆使すれば良いと思います。

続いて "動的" に見たい場合ですが、構成部品移動で見る方法と、Motionアドインで見る方法があります。

構成部品移動で見る場合、カム部品とフォロワー部品の合致は、サーフェスと点の一致、
などで定義し、カム部品の移動でフォロワー部品が動作するようにします。

Motionアドインで見る方法ですが、2通りあります。
1つ目は、初期設計段階の理想の動作確認です。
2つ目は、カムのガタや動作速度やバネの影響などを含め、実際の動作に近い動作確認です。

2つ目は、高速駆動時のハネや飛び、なども再現することが可能です。

Motionを使うと、動作部の回転速度などのグラフだけでなく、時間ごとの干渉チェックなども可能です。(干渉チェックは、「アニメーション」でも利用可能。)

構成部品移動でやる場合だと、動作工程での干渉チェックは、移動機能のオプション「衝突検知」や「フィジカルダイナミクス」で見た目で確認する必要があります。
(結構、わかりにくく、大変だと思います。)

このように、Motionアドインが使える(環境とスキルがある)と、作業効率や検証品質が大きく向上することが予想されます。
構造解析に比べて機構解析のMotionは、あまりPRされてないかもしれませんが、装置など駆動部の多い機械の設計では、結構強力な武器になりそうに思います。

眠いので、今日はおしまい…。

2012年2月22日水曜日

メカニカルカム(モデリング編)

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
満を持して、というか、やっとこさ「メカニカルカム」について書きます。
但し、結構ボリュームがあるので、以下の3つに分けて書きます。
  1. モデリングについて
  2. 検証について
  3. 図面について
本題に入る前に、「メカニカルカム」について、色々と取り組んだ際に私が参考にしたWebサイトをご紹介します。
  株式会社ミスミ エンジニアのための技術講座 ローコストオートメーション講座 第3回

ここで「メカニカルカム・リンク機構」の概要や歴史を知ることが出来ました。
お蔭で、様々な装置で、カムを使ってたり、リンク機構を使ってたり、PLC制御を使ってたりしてますが、なぜそうなのか?について、多少考えることができるようになりました。

さて、本題。

(1)モデリングについて
 メカニカルカム部品は、直進カム、円形カム、円筒カム、の3タイプがあります。

 このうち、直進カム、円形カム、については、Toolboxアドインの「カム作成」機能で、部品モデル作成が可能です。
 どう使うのかは、ヘルプを見たり、「お気に入り」のサンプル設定を使ってみるなどすると、なんとなくわかってくるのではないか?と思います。
 このToolboxアドインの「カム作成」機能ですが、2008年頃には、「STEP by STEP ~Productivity Tool編~」という自習用テキストがソリッドワークスジャパン社から発売されていたので、それで勉強することができました。でも、いまは無いので、ヘルプやWebのナレッジベースなどを参考にしてみてください。

 とまぁ、直進カム、円形カムについては、こうしてモデル作成する機能があるのですが、円筒カムは対応していません。
 (某CADでは、中々優秀なツールがあり、円筒カムも作成できるそうです。)

 よって、SolidWorksで円筒カムを作ろうとすると、自分でモデリングする必要があります。
 やり方は、大きく4つの方法が考えられます。
  1. ラップフィーチャーを利用する方法
  2. 板金フィーチャーを利用する方法
  3. サーフェスを利用する方法
  4. Motionアドインを利用する方法(軌跡を利用)
ラップフィーチャーが無い頃は大変だったと思います。今は、多くの場合、ラップフィーチャーを使えばできると思います。
 (重なる溝を作成する場合は、複数に分けてラップフィーチャーを実行すればOK)
理想のカム溝を作ろうとすると、(4)Motionアドインを利用する方法がお奨めです。これは軌跡を作成して、それを利用してモデリングする方法です。

こんな感じで、モデリングができたぁ!と言って喜んではいけません。
アセンブリで困ることになると思います。
「カム作成」機能で作成したカム部品の合致で、「カム合致」などで合致しようとすると、"面が正接連続じゃないからダメ" って出る場合もあります。
また、「カム合致」ができたとしても、動きが重くなる可能性が高いです。

これの対策としてお奨めするのは、サーフェスと点を使った合致です。
文章で書くと以下のような方法になります。
  1. サーフェス作成のため、スケッチを作成する。
  2. スケッチでは、カム曲線のエッジをエンティティオフセットし、カムフォロワーの中心が通る位置に曲線を描きます。
  3. それらの線を使って、フィットスプラインにより、1本のスプライン曲線を作成します。
  4. このスプライン曲線を押し出すなどしてサーフェスを作成します。 (1枚サーフェスになる)
  5. カムフォロワー部品のフォロワー中心に点を作ります。(スケッチでもOK)
  6. アセンブリで、カムフォロワー部品の点と、カム部品のサーフェスとを「一致」合致とします。
これにより、あたかもカムフォロワーがカム部品に接触しながら動作する動きが軽快に表現できると思います。
(たくさんあると、さすがに重いと思いますが…)

こんな具合にモデリングだけでも結構色々とSolidWorksの機能を駆使する必要があるのがカム部品です。 「検証」や「図面」も、となるとさらに色々とテクニックを駆使する必要が出てきます。

このように複雑な利用法が必要になると、普通の設計者には使いこなせなくなってしまいます。
よって、会社によっては、カスタマイズプログラムを作成し、容易にカム部品を作成できるようにしているところもあるようです。

今日はこの辺で。ではまた。

2012年2月10日金曜日

DFMXpressネタなど

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
最近、読んだ本を紹介します。
 「ついてきなぁ!加工部品設計で3次元CADのプロになる!」 國井良昌(著)

"ついてきなぁ!" シリーズは、他にも色々あり、私が最初に読んだのは「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で「即戦力」」で、すっかりファンになってしまいました。

 今回紹介する "加工部品設計で~" は、若手設計者が3D-CADをモデリングツールではなく設計ツールとして活用できるようになるために、部品設計を題材にして様々な設計テクニックを解説していました。
 その中で、要注意箇所の探索方法として、「断面をトレースして急激な変化がある箇所を探す」方法が多数の例を交えて示されています。
 これって、3次元CADなら当たり前にできる断面表示機能を設計検討に利用するうまいやり方だな、と感じました。

 また、他にもSolidWorksのDFMXpressのチェック項目に登録すれば、加工性チェックに活用できそうな「板金加工のルール」や「樹脂部品のルール」などが掲載されてました。
時間の余裕があれば試してみたいネタです。

 ちなみに、板金の強度UP策の「三角リブ」が出てたのですが、Featureライブラリ化できないかな?と思って少しトライしてみたのですが、「インデントフィーチャー」を使う作り方では、FeatureLibraryにはできませんでした。
 もっとべたな作り方をしないと、FeatureLibraryにはできなさそうです。

今日は、これだけにしておきます。ではまた。

2012年2月9日木曜日

SolidWorks活用研究会の報告

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
予告と違いますが、先月末に開催された「第11回 SolidWorks活用研究会」についてご報告します。
今回は「設計手法」をテーマとして、発表と座談会とで構成しました。

発表では、私どもからは「レイアウト手法」、SolidWorks Japan社さんからは「SolidWorks2012新機能」を取り上げました。

また、私どもでは "設計" の実務レベルの話が困難なため、今回は、様々な企業から設計を請け負っているUser様に発表して頂きました。
(年末年始のお忙しい中、発表ありがとうございました!)

私どもやメーカーも色々発表は行っておりますが、私どもでは不可能な「実設計業務を踏まえた利用方法」を発表され、皆さん熱心に聞いておられました。
さすが!と思ったのは、「様々な設計を行うために、複数の設計手法を使い分けている」と言われてた点でした。
その設計手法も、当日の他のセッションで発表した「レイアウト手法」は当然として、エンベロープやマルチボディを駆使した手法など、大きく性格の異なる複数の手法を紹介されてました。 さらに、「ここでは紹介できない、他の手法もあり、これらを使い分けている」、とのことで、SolidWorksの使いこなしレベルの高さを感じました。

つづいて、SolidWorks Japan社さんの「SolidWorks2012の新機能紹介(一部)」について。
一部と言っても、今回も多数の魅力的な機能追加や改善があるため、時間OverするVolumeとなってました。
(もっと見たい、もっと教えて欲しい、という感想も聞かれましたが、これについては個別デモや、1日新機能講習、などをご依頼頂きたいと思ってます。)
ちょうど1月末にSP2がリリースされたので、VerUPを検討されている方には、タイミング良く参考になったのではないかと思っています。
また、SW2011も最終のSP5がリリースされており、こちらへVerUPする準備をされているUserさんもおられることと思います。
 こうした皆さん向けに、VerUPの参考資料を今年も昨年同様に作成しました。(2012/1)
  ※ご希望の方は、O社のサポートSEにお問い合わせ頂くか、私までご連絡頂ければご提供できると思います。多分…。

最後に座談会について。
今回も約30名という多数の方が参加され、グループに分かれて様々な話で盛り上がっておられました。一応、「設計手法」をテーマに話をし始めて頂きましたが、いつも通り各グループとも活発な意見交換の結果として脱線されていたようです。

私は今回も進行役をしていたのですが、「どこかのグループに入って話し込みたい…」とずっと思ってました。(^_^;)
終了後、会場で進行支援をしていた他のSEとこの話をしたのですが、みな同じことを考えてました。
でも、"サポートエンジニア" という看板があると、話した内容が少し重く取られてしまうなどあるので、「入ったら雰囲気変わっちゃうだろうから、入るべきじゃないよな」ということでみな納得してます。

この座談会のグループ討議ですが、いつもグループ分けをどうするかで悩んでます。
今のところ、極力同じ会社の人が偏らないようにだけ気を付けており、あとは「運」としてます。
(なんか良い案があればご提案ください! お待ちしてます。)

なんか話があちこちに飛んでしまい、まとまりがありませんが、こんな感じでした。

今回も電車で2~3hかけて来場して頂いたUserさんが何名かおられましたが、皆さん笑顔で「良かった」と言っておられました。価値のある有意義な時間となったようで、運営スタッフみな、うれしく感じています。

今後も価値ある内容と高いレベルを維持すべく色々工夫してやっていきたいと思ってます。
皆さんのアイデアや「企画持込」も大歓迎ですので、お気軽にご連絡ください。
ではまた。
(次回こそ「メカニカルカム」?)

2012年1月12日木曜日

SolidWorks活用研究会

こんにちは、SolidWorksエンジニアです。
本年もよろしくお願いいたします。
ほぼ月一回の投稿という、ブログらしからぬ投稿スパンですが、「継続は力なり」ということで今後も引き続き忘れたころに投稿していきたいと思います。

さて、来る1/25に、本年最初の「SolidWorks活用研究会」を関西で開催することになりました。
今回は"設計者向け"として、「設計手法」をテーマにして発表や座談会を行います。

私自身、ユーザーさんの発表では、実際の業務でSolidWorksをどう使っているか?を聞きたいと思っており、楽しみにしてます。
また、座談会では話の脱線や発展も楽しみですが、あまり脱線しすぎても良くないので、一応 "SolidWorksの利用法" という意味合いでの「設計手法」を基本路線にしたいと思ってます。

個人的にはCAD以外のツール(TRIZ,QFD,DSM,FMEA,FTA,などなど)をどう使うか?というレベルでの「設計手法」にも興味はあります。こちらのほうは、帰り道に飲み屋にでも立ち寄って頂いて、意気投合した参加者同士で話をするということで、座談会の際はそこそこにしておいてください。(^_^)

と、書いたところで座談会をどう進めるか、今しがた検討しました。
今回も時間延長したくなるほど盛り上がることを期待してます。

ところで、他の地域でのSolidWorks活用研究会の開催ですが、昨年後半くらいから、各地の開催キーマンが多忙な状況が続いているため、これまでの開催スパンを維持できていない地域も出てきてます。
(関西[約4か月ごと]と船橋[約1年ごと]では予定通りのスパンで開催しています。)
こんな状況ですので、遠方の方もご興味あればちょっと足を延ばして関西のSolidWorks活用研究会に参加してみてはどうでしょう?

また、リクエストやご招待を頂ければ、色々駆使してご希望に応じる努力をするつもりですので、お気軽にお問い合わせください。
ほとんど宣伝になってしまいました。次回はメカニカルカムについて書こうかな…。ではまた。