2012年2月25日土曜日

メカニカルカム(検証編)

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
今月は投稿がハイペースです。(^_^;)
さて、メカニカルカムの2回目、「検証」について、書きます。


(2)検証について
 前回の「モデリング編」に続いて、「検証編」ですが、メカニカルカムの検証というと、やはり "動き" ですね。 関連するフォロワーの "動き" を見たい!というニーズが高いです。

静的(とまった状態)に検証して見たい場合、各場面をコンフィギュレーションで表現します。
各部品の配置は、通常どおり合致を駆使すれば良いと思います。

続いて "動的" に見たい場合ですが、構成部品移動で見る方法と、Motionアドインで見る方法があります。

構成部品移動で見る場合、カム部品とフォロワー部品の合致は、サーフェスと点の一致、
などで定義し、カム部品の移動でフォロワー部品が動作するようにします。

Motionアドインで見る方法ですが、2通りあります。
1つ目は、初期設計段階の理想の動作確認です。
2つ目は、カムのガタや動作速度やバネの影響などを含め、実際の動作に近い動作確認です。

2つ目は、高速駆動時のハネや飛び、なども再現することが可能です。

Motionを使うと、動作部の回転速度などのグラフだけでなく、時間ごとの干渉チェックなども可能です。(干渉チェックは、「アニメーション」でも利用可能。)

構成部品移動でやる場合だと、動作工程での干渉チェックは、移動機能のオプション「衝突検知」や「フィジカルダイナミクス」で見た目で確認する必要があります。
(結構、わかりにくく、大変だと思います。)

このように、Motionアドインが使える(環境とスキルがある)と、作業効率や検証品質が大きく向上することが予想されます。
構造解析に比べて機構解析のMotionは、あまりPRされてないかもしれませんが、装置など駆動部の多い機械の設計では、結構強力な武器になりそうに思います。

眠いので、今日はおしまい…。

2012年2月22日水曜日

メカニカルカム(モデリング編)

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
満を持して、というか、やっとこさ「メカニカルカム」について書きます。
但し、結構ボリュームがあるので、以下の3つに分けて書きます。
  1. モデリングについて
  2. 検証について
  3. 図面について
本題に入る前に、「メカニカルカム」について、色々と取り組んだ際に私が参考にしたWebサイトをご紹介します。
  株式会社ミスミ エンジニアのための技術講座 ローコストオートメーション講座 第3回

ここで「メカニカルカム・リンク機構」の概要や歴史を知ることが出来ました。
お蔭で、様々な装置で、カムを使ってたり、リンク機構を使ってたり、PLC制御を使ってたりしてますが、なぜそうなのか?について、多少考えることができるようになりました。

さて、本題。

(1)モデリングについて
 メカニカルカム部品は、直進カム、円形カム、円筒カム、の3タイプがあります。

 このうち、直進カム、円形カム、については、Toolboxアドインの「カム作成」機能で、部品モデル作成が可能です。
 どう使うのかは、ヘルプを見たり、「お気に入り」のサンプル設定を使ってみるなどすると、なんとなくわかってくるのではないか?と思います。
 このToolboxアドインの「カム作成」機能ですが、2008年頃には、「STEP by STEP ~Productivity Tool編~」という自習用テキストがソリッドワークスジャパン社から発売されていたので、それで勉強することができました。でも、いまは無いので、ヘルプやWebのナレッジベースなどを参考にしてみてください。

 とまぁ、直進カム、円形カムについては、こうしてモデル作成する機能があるのですが、円筒カムは対応していません。
 (某CADでは、中々優秀なツールがあり、円筒カムも作成できるそうです。)

 よって、SolidWorksで円筒カムを作ろうとすると、自分でモデリングする必要があります。
 やり方は、大きく4つの方法が考えられます。
  1. ラップフィーチャーを利用する方法
  2. 板金フィーチャーを利用する方法
  3. サーフェスを利用する方法
  4. Motionアドインを利用する方法(軌跡を利用)
ラップフィーチャーが無い頃は大変だったと思います。今は、多くの場合、ラップフィーチャーを使えばできると思います。
 (重なる溝を作成する場合は、複数に分けてラップフィーチャーを実行すればOK)
理想のカム溝を作ろうとすると、(4)Motionアドインを利用する方法がお奨めです。これは軌跡を作成して、それを利用してモデリングする方法です。

こんな感じで、モデリングができたぁ!と言って喜んではいけません。
アセンブリで困ることになると思います。
「カム作成」機能で作成したカム部品の合致で、「カム合致」などで合致しようとすると、"面が正接連続じゃないからダメ" って出る場合もあります。
また、「カム合致」ができたとしても、動きが重くなる可能性が高いです。

これの対策としてお奨めするのは、サーフェスと点を使った合致です。
文章で書くと以下のような方法になります。
  1. サーフェス作成のため、スケッチを作成する。
  2. スケッチでは、カム曲線のエッジをエンティティオフセットし、カムフォロワーの中心が通る位置に曲線を描きます。
  3. それらの線を使って、フィットスプラインにより、1本のスプライン曲線を作成します。
  4. このスプライン曲線を押し出すなどしてサーフェスを作成します。 (1枚サーフェスになる)
  5. カムフォロワー部品のフォロワー中心に点を作ります。(スケッチでもOK)
  6. アセンブリで、カムフォロワー部品の点と、カム部品のサーフェスとを「一致」合致とします。
これにより、あたかもカムフォロワーがカム部品に接触しながら動作する動きが軽快に表現できると思います。
(たくさんあると、さすがに重いと思いますが…)

こんな具合にモデリングだけでも結構色々とSolidWorksの機能を駆使する必要があるのがカム部品です。 「検証」や「図面」も、となるとさらに色々とテクニックを駆使する必要が出てきます。

このように複雑な利用法が必要になると、普通の設計者には使いこなせなくなってしまいます。
よって、会社によっては、カスタマイズプログラムを作成し、容易にカム部品を作成できるようにしているところもあるようです。

今日はこの辺で。ではまた。

2012年2月10日金曜日

DFMXpressネタなど

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
最近、読んだ本を紹介します。
 「ついてきなぁ!加工部品設計で3次元CADのプロになる!」 國井良昌(著)

"ついてきなぁ!" シリーズは、他にも色々あり、私が最初に読んだのは「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で「即戦力」」で、すっかりファンになってしまいました。

 今回紹介する "加工部品設計で~" は、若手設計者が3D-CADをモデリングツールではなく設計ツールとして活用できるようになるために、部品設計を題材にして様々な設計テクニックを解説していました。
 その中で、要注意箇所の探索方法として、「断面をトレースして急激な変化がある箇所を探す」方法が多数の例を交えて示されています。
 これって、3次元CADなら当たり前にできる断面表示機能を設計検討に利用するうまいやり方だな、と感じました。

 また、他にもSolidWorksのDFMXpressのチェック項目に登録すれば、加工性チェックに活用できそうな「板金加工のルール」や「樹脂部品のルール」などが掲載されてました。
時間の余裕があれば試してみたいネタです。

 ちなみに、板金の強度UP策の「三角リブ」が出てたのですが、Featureライブラリ化できないかな?と思って少しトライしてみたのですが、「インデントフィーチャー」を使う作り方では、FeatureLibraryにはできませんでした。
 もっとべたな作り方をしないと、FeatureLibraryにはできなさそうです。

今日は、これだけにしておきます。ではまた。

2012年2月9日木曜日

SolidWorks活用研究会の報告

こんばんは、SolidWorksエンジニアです。
予告と違いますが、先月末に開催された「第11回 SolidWorks活用研究会」についてご報告します。
今回は「設計手法」をテーマとして、発表と座談会とで構成しました。

発表では、私どもからは「レイアウト手法」、SolidWorks Japan社さんからは「SolidWorks2012新機能」を取り上げました。

また、私どもでは "設計" の実務レベルの話が困難なため、今回は、様々な企業から設計を請け負っているUser様に発表して頂きました。
(年末年始のお忙しい中、発表ありがとうございました!)

私どもやメーカーも色々発表は行っておりますが、私どもでは不可能な「実設計業務を踏まえた利用方法」を発表され、皆さん熱心に聞いておられました。
さすが!と思ったのは、「様々な設計を行うために、複数の設計手法を使い分けている」と言われてた点でした。
その設計手法も、当日の他のセッションで発表した「レイアウト手法」は当然として、エンベロープやマルチボディを駆使した手法など、大きく性格の異なる複数の手法を紹介されてました。 さらに、「ここでは紹介できない、他の手法もあり、これらを使い分けている」、とのことで、SolidWorksの使いこなしレベルの高さを感じました。

つづいて、SolidWorks Japan社さんの「SolidWorks2012の新機能紹介(一部)」について。
一部と言っても、今回も多数の魅力的な機能追加や改善があるため、時間OverするVolumeとなってました。
(もっと見たい、もっと教えて欲しい、という感想も聞かれましたが、これについては個別デモや、1日新機能講習、などをご依頼頂きたいと思ってます。)
ちょうど1月末にSP2がリリースされたので、VerUPを検討されている方には、タイミング良く参考になったのではないかと思っています。
また、SW2011も最終のSP5がリリースされており、こちらへVerUPする準備をされているUserさんもおられることと思います。
 こうした皆さん向けに、VerUPの参考資料を今年も昨年同様に作成しました。(2012/1)
  ※ご希望の方は、O社のサポートSEにお問い合わせ頂くか、私までご連絡頂ければご提供できると思います。多分…。

最後に座談会について。
今回も約30名という多数の方が参加され、グループに分かれて様々な話で盛り上がっておられました。一応、「設計手法」をテーマに話をし始めて頂きましたが、いつも通り各グループとも活発な意見交換の結果として脱線されていたようです。

私は今回も進行役をしていたのですが、「どこかのグループに入って話し込みたい…」とずっと思ってました。(^_^;)
終了後、会場で進行支援をしていた他のSEとこの話をしたのですが、みな同じことを考えてました。
でも、"サポートエンジニア" という看板があると、話した内容が少し重く取られてしまうなどあるので、「入ったら雰囲気変わっちゃうだろうから、入るべきじゃないよな」ということでみな納得してます。

この座談会のグループ討議ですが、いつもグループ分けをどうするかで悩んでます。
今のところ、極力同じ会社の人が偏らないようにだけ気を付けており、あとは「運」としてます。
(なんか良い案があればご提案ください! お待ちしてます。)

なんか話があちこちに飛んでしまい、まとまりがありませんが、こんな感じでした。

今回も電車で2~3hかけて来場して頂いたUserさんが何名かおられましたが、皆さん笑顔で「良かった」と言っておられました。価値のある有意義な時間となったようで、運営スタッフみな、うれしく感じています。

今後も価値ある内容と高いレベルを維持すべく色々工夫してやっていきたいと思ってます。
皆さんのアイデアや「企画持込」も大歓迎ですので、お気軽にご連絡ください。
ではまた。
(次回こそ「メカニカルカム」?)